The "Flying Fin"

現実は小説より奇なり。
この言葉を「小説は現実より奇妙である事を許されない」のだと評したのは誰だったか、
2007年シーズンはどんな架空の物語よりも劇的な……もしくは芝居的な終わりを遂げました。
ワールドチャンピオンに輝いたのはキミ・ライコネン、110ポイント。
2位に新人、ルイス・ハミルトン、109ポイント。
そして3位に昨年の王者、フェルナルド・アロンソ、109ポイント。
(ハミと同点だが、2位入賞回数の差でハミルトンが上位)
1位と2位が1ポイント差で決着するなんて実際にありえるか!
と叫びたくなるような現実。
しかもライコネンは終盤、絶望的と言えるほどの差を逆転してのチャンピオンシップ獲得。
おそらくこんなものを小説や漫画にした日には、「いやいや、あり得ねーから」
の一言で済まされてしまう気がします。
まあ、終わった後で見直してみると、第8戦のフランスGP以降フェラーリ自体が持ち直し、
ライコネンに至っては10戦中5戦で優勝、更にヨーロッパGPのリタイヤを除くと残り全戦で
表彰台を獲得と、大逆転勝利に向けての道筋は立てられていたのかも、と思えない事も無いのですが。


聞こえてくる話を聴く限り、ライコネンは欠点も有り、完璧というには遠いようです。
しかし、今シーズン、見ている僕の血を最も熱く滾らせてくれたのは間違いなくこの男でした。
これまで見せてきた速さを考えれば、ようやくといって良いワールドチャンピオン獲得、
おめでとうございます。


ちなみに最終戦のみの参戦となった中嶋一貴はそこそこの速さを見せて10位完走。
同じマシンにのってるニコが4位入賞してるのがちょっとアレですが、
決して悪くは無い結果でしょう。
まあ、ぶっちゃけた話、新人とは言え、そこそこのマシンに乗ったなら
そこそこの結果が出せないようでは才能が無いって状況なんですけどね、今のF1は。
とはいえ、ワンチャンスで完走を果たしたのは褒められても良い事だと思います。
ただ……ピットクルー跳ね飛ばしてるんだよな……


で、来年に向けての見所は……
・何処へ行くのかまだわからないアロンソの行方。
意外と体制発表にまで至っていないチームが多く残ってる今シーズン。
やはりアロンソの行方次第なのか?
・何処へ行くのかまだわからないスーパーアグリの行方。
新スポンサーって発表されたんだっけ?
・本当に参戦するのかわからないプロドライブの動向。
リチャーズさん、どうなってんの?
・ホンダとトヨタは……(大丈夫なんか?)
レッドブル軍団は……(今シーズン終盤良かったよなぁ……)


なお、個人的には今年の新人賞はセバスチャン・ベッテルに差し上げたいと思います。