志真元「女子高生=山本五十六 2」

上手く纏められなくて感想が遅れてましたが、
JK56こと架空ネトゲ戦記、女子高生=山本五十六の2巻です。
何故か表紙のイラストが浅川圭司からカエル絵師こと平井久司に代わりました。
まあ、KKでは日常茶飯事です、そんな事は。
でも、なんで平井?
メインとなる購買者層が喜びそうな人選という気がしないんですが。


2巻ではいよいよ日米開戦です。
『ゲームの仕様』として、真珠湾攻撃を史実通り1941年12月7日に必ず行わなければならない、
というのが両軍周知事項となってしまっているため、(両軍ともある程度の制限はあるとはいえ)
事実上奇襲ではなく強襲となってしまう真珠湾攻撃を如何に成功させるのか、というのがこの巻の見どころなわけですが……
いや、ぶっちゃけね、真珠湾攻撃をそれなりに成功させても敵わなかったわけですよ、日本は。
今風にいうとアメリカさん、パネェんすよ。
つまり、物語的に今後も日本側が対等以上に戦いを繰り広げるためには、強襲となって尚、
史実以上の大打撃を真珠湾攻撃で与える必要があるわけです。
こんなところで血で血を洗うような激闘を繰り広げてては、今後の勝ち目が無いんです。
だからまあ、日本側の圧勝というのは既定路線とも言えたわけですが……


しかし、それでもやはり連合国軍側(というかアメリカ軍)の首脳部である、
シスターズ幹部のへっぽこぷりは見てて痛々しいものが……
てめーらゲームのプロ(笑)ならプロ(笑)らしい技前見せてくれよ……と。
やはり、読者としては手に汗握る大接戦、というのも見たいわけでねぇ。
もちろん、どこまでも能天気に帝國海軍大勝利!聯合艦隊最強!とかやってるわけではなく、
小沢提督が重傷を負ったり、タンカー沈められたり、ゲームの裏で悪い大人たちが
悪い事企んでいたり(笑)と、不安材料を散らばらせる事も忘れてはいないあたりは
慣れた手付きという感じではあるのですが。
しかし、へっぽこぶりというと、史実の帝國陸海軍の首脳部もこんな感じだったんですかねぇ……
こちらは史実だけに痛々しいどころじゃすまない……というか済まなかった訳ですが……


そんなわけで、今回はゲーム内の世界が大半を占めているわけですが、
最も目についたのが、WW2時代の登場人物も、中の人有りき、と言う事に重点を置いて描写されている事。
架空ネトゲ戦記という呼び方は2ch架空戦記スレのどこかでされていた
ものだったと思うのですが、非常に言いえて妙かもしれません。
そういう意味ではこれは架空戦記と呼ぶのは適当ではないような気もしますが、
タイムスリップ系のネタを使用して戦力の強化を図っている架空戦記と何が違うの?
と聴かれると、本質的な部分は同じような気もします。


戦闘の描写は一つ一つを見ていくと、あっさりしていたな、という感じ。
個人的には過不足無し……というよりは、ちょっと不足気味なくらいです。
比叡、霧島を主力とする水上打撃部隊による英国空母部隊襲撃なんか、たった4Pで片付けられてるし。
(なのに何故か挿絵が一枚)
ただ、このあたりはページ数の都合だとか、出版社の都合だとかがあった可能性も考えられ、
作者の好き放題にやらせたらどうなっていたのか気になるところでもあるのですが、
ただ、この作者、この作品にはこの程度の描写の方がバランスが良いのだと自ら判断したんだよ、
と読者に思わせるような手先の巧みさが感じられるあたりが曲者。
いや、悪口じゃないですよ。


ちなみに、前巻で予兆はあった……というか、むしろ声高らかに喧伝していた、
魔改造零戦も過剰に描写することなく、あっさりと。
これは残念なような、酷い事にならなくて良かったような……
まー1巻で図面登場していた双胴型零戦は何故か登場しませんでしたが。
その代わりに、プル&プッシャー方式にエンジンとプロペラを二機搭載した
零閃電なんてものまで登場しましたが。図面だけ。
……まとめて3巻で出すの?


話は変わるんですが、もはや架空戦記作家という肩書きには
「元」がつきそうな某エロゲデヴ、誰かどうにかしてくれないものでしょうか。
ハイスクールオブザデッド、全然進んでないじゃないですか。
つーか、小説版の続き執筆の為、漫画版A君しばらく休載って何だよwww
死ねよwww
いや、死ぬ前にRSBCの続きも書けよwww