時をかける少女

上映開始からだいたい3ヶ月遅れでようやく香川にもやってきた時をかける少女
ソレイユではこの日曜までの上映なので、慌てて見にいってきました。


結論から先に言うと、非常に良質なアニメだったと思います。
贅沢を言えば、物語の季節とシンクロする本来の公開時期である
7月に見たかったところですが。


偶然タイムリープ能力を手に入れた少女、紺野真琴
その能力によって極々小市民的な欲望を満たして悦に浸る真琴だが、
「良い友達」であり続けたいが為に間宮千昭の告白を避け続けても、
逆にその所為で仲がギクシャクしていくなど、思い通りにいかない事も。
そして、ゆっくりと、都合の良い世界に作り変えていった歪みは忍び寄っていた……
彼女は歪みを打破する事が出来るのか?
そして、友達でいたかった友達二人との関係は!?
……と書くと、人によっては非常に込み入ったタイムパラドックス物を
想像する人もいるかもしれませんが、そういったSFマニアの期待に答えられるほどに
凝った仕掛けがある作品ではありません。
そして、主人公・紺野真琴と、二人の友人・間宮千昭、津田功介との仲も、
放課後三人で野球をするのが楽しみという、あまりにも健全なもの。
お前ら本当に高2かと突っ込みたくなるところですが、
このありえないほどの爽やかさこそが、
間違いなくこの映画の魅力の一つだと言えます。
至極個人的には、SF的に凝った仕掛けが見たかったのも事実ですが、
元々時をかける少女はそういう作品でもないし、
変に難解な部分を作って、爽やかな読後感を壊しては
台無しもいいところなので、これで良かったのでしょう。


作画の方は劇場映画としては必要十分なレベル。
とはいえ、真琴のボールの投げ方が変と思った(思わせた)直後に、
「女の子投げやめろよなー」といったセリフを言わせているなど、
実は見返してみると、思ったよりも芸が細かい事に気付くかもしれません。
このあたり、演出が間違って女子高生にプロみたいなフォームでボールを
投げさせる可能性があるのかどうかわかりませんが、
TVアニメだとボールを投げているようにはとても思えないような
作画崩壊を起こす可能性は非常に高すぎるのが笑えません。
メロンキャペツ。メロンにも見えませんが。


演出面など、その他の話はまたそのうち……書けたら……