ミッション:無理め大作戦

というわけで、トム様のアレを見てまいりました。
今回、我らがトム様こと、イーサン・ハントは現場を離れ、教育係としてセミリタイヤ状態。
仕事場では教官として若い女の子とイチャイチャしつつ、
プライベートではパンピーの女性を口説き落とす事に成功し、まさに薔薇色の人生。
しかしそんな小粋で楽しいイーサン・ハントの姿を2時間流しても映画にならないので、
早々に現場復帰と相成るのでありました。
以下、ネタバレ全開でお送りしますので、見る予定がある方はお気をつけを。


というわけで、今回の敵はフィリップ・シーモア・ホフマン扮するオーウェン・デイヴィアン。
正体不明、神出鬼没とか言われてた割に、速攻バチカンで取引を行っていたところを
イーサンたちに誘拐されるという、なんだか良くわからない人です。
正体ばれてるじゃねえか。
まあ、そのへん、字幕が戸田奈津子だったので、あのババアの超訳の所為かもしれません。
吹き替え版の方を見たかったんですが、時間が合わなくて断念したもので。
その悪役にイーサンは見事婚約者を誘拐され返すわけですが、でも大丈夫!
彼女はある組織の殺し屋だったのです!
なにそのアンジェリーナ・ジョリー
無論、大嘘です。主演ブラッド・ピットじゃないし。


このデイヴィアン誘拐シーンは今回の見せ場の一つで、
仲間の一人がコンパクト(化粧品の)に偽装したカメラでデイヴィアンの顔を多角度から撮影
→それを元になんだかすっげえマッシーンがマスクを作成
→マスクを被ったイーサンがデイヴィアンを襲撃、文章を読ませて声をサンプリング
→本物と成り代わってその場を脱出
とまあ、ハイテクっぷりを披露。
無論、上に記しただけの事ではなく、非常に巧みなチームプレイが描かれています。


話を戻して婚約者(正確には結婚式を行った後なので妻)を誘拐されたイーサンは、
その身柄と引き換えに「ラビットフット」なる謎アイテムの奪取を
デイヴィアンに命じられるわけですが……まて、デイヴィアン、
あんたそれの取引の為にバチカン訪れてたんじゃないのか?
実際のところ、バチカンでの取引はデイヴィアンが情報を買う側だった、というのは
そこで彼が手に入れたアタッシュケースの中にラビットフットの情報が入っていた事から
読み取れるのですが、あまり丁寧に劇中で説明してくれていないため、
上のような誤解をする人が出るような気がします。
それを問題にする人はあまりいないかもしれませんが。
トム様活躍すりゃそれでいいし、ってなもんで。


で、そのラビットフットが保管されたビルへと忍び込む事になるわけですが、その方法というのが
隣にあるより背の高いビルからロープを使って振り子のように飛び移る、というもの。
なんか上手く説明出来ている気がしませんが、ヒットラーの復活のような感じ、といえば
わかりやすいでしょうか。より判り難いだけでしょうか。せめて海腹川背と言え。
振り子状に振られて目標ビルの上に到達した後はロープを切り離し、真っ逆様に落ちてデザイア。
この一連のシーン、映画的には失敗したら話にならないので、成功するのは当然なんですが、
それでも作品中、見てる側に屈指の緊張を強いる名シーンです。
ただ……ただね……誘拐作戦時→ハイテク満載。
ビル潜入作戦時→ロープで振り子〜自由落下。
なんか釈然としないものを感じるのは何故。


正直な話、この他にも疑問が残る……いわゆる突っ込みどころは数箇所あり、
この作品が非常に優れた文句のつけようもない緻密なプロットよりも
トム様カッコイー!を重視した事が伺いしれるのも事実です。
(そういう意味ではM:i:Ⅱの方が遥かに思い切った作りで、
脳天気にトム・クルーズの格好良さを堪能出来るのですが)
とはいえ、そういうプロットの巧みさに期待しすぎない限り、
金を損した気にはならない程度には楽しませてくれるので、その点はご心配無く。


尚、次回作、M:i:Ⅳは車に撥ね飛ばされたと思ったデイヴィアンはどっこい生きてたボンネットの中!(というか上?)
「ド根性デイヴィアンの逆襲」でお送りします。根性〜根性〜ド根性〜♪


余談・映画館でパイレーツ オブ カリビアンの新作の宣伝を見てた時の話。
「あ〜これも見たいなぁ。でも1作目見てないんだよね」
「……これ、3作目やで?」
あんですとぉぉぉ!?