だいたい毎日アニソン三昧。

今頃ですが、NHK-FMで5月3日にやっていた、今日は一日アニソン三昧を聴きました。
こういう企画には、おそらくどうしようもない問題が付いて回っています。
その一つが、選曲の偏向といった問題です。
これだけでも、多種多様な問題を含んでいるのですが、今回は年代的なものに絞って
話のネタにしたいと思います。
先に、この番組そのものはリスナーのリクエストに応える、という形で進行されたので、
リクエストに応えただけだ、リクエストそのものが偏っていたんだ、
という言い訳は立派に成り立つ事は承知の上での話である事をお断りしておきます。


さて、この問題というのは本当に解決し難いものでして、例えば70年代、80年代、90年代、2000年代と、
年代別にわけて、同曲数だけ選んだとしても、90年代、2000年代からはまだまだ選ばれていない曲がある、
という思いは払拭のされようが無いでしょう。
90、2000年代にはそれまでとは桁違いの……おそらくは実際に桁が違うほどの
アニメが作られているのだから、当然です。
逆に、アニメ数の比率に合わせて選曲数を変化させたらどうなるでしょう。
おそらく、マジンガーZかヤマトかゲッターロボか、その辺の時代の曲が1曲しかかからなくなるだけで、
それ以降の時代にも山ほどのアニソンがひしめいているので、曲数にはなんの不自由も無いのですが、
40代より上のリスナー切捨て、と言った形で、番組的に大問題を抱える事になるでしょう。
このあたりが最大の理由なんでしょうね。10年以上前から、懐かしのテレビアニメ〜といった
番組で紹介されるアニメにほとんど変化が無い事の。
そして、70年代以前に偏向されがちなもう一つの理由としては、80年代以降、アニメは、
アニメそのものの多作品化、家庭用ゲーム機の出現による、趣味の多様化等の影響を受けて、
同世代間ですら共通言語ではなくなっている事が上げられます。
そのため、もし90年代限定アニソン特集などという企画を行った場合、おそらく該当する世代の間でも、
「え、何この曲……」といった事態は十分に起こり得るでしょう。
無論、現代に至るまで、世代を超えた共通言語足りえる名作アニメは絶えず生まれ続けており、
90年代という括りの中でも、20曲や30曲分程度は共通言語化された作品が存在するとは思いますが。


今回のNHKの番組ですが、やはりある程度の偏向は存在し、
偏向というほどでは無いにしても、おかしな選曲も存在しています。
120曲以上かけたとはいえ、ゲゲゲの鬼太郎のテーマ(同一曲で歌手違い)を3曲もかけるべきだったでしょうか?
テレビで放映された番組の主題歌、と限定しておきながら、パーソナリティを務めた
デーモン小暮閣下の肝煎だったとはいえ、アメリカ版マッハGOGOGOのテーマという微妙な作品や、
映画版ガンダムⅢの主題歌である「めぐりあい」(しかも閣下版)をかけるべきだったでしょうか?
時代を代表する歌手だったのは間違い無いとはいえ、ほとんど小特集といっていいほど集中させて
大杉久美子氏の曲をかける必要はあったのでしょうか?(連続した14曲中、5曲が大杉氏の曲)
まあ、これに関しては堀江美都子氏も、自身のライブで歌った3曲を含め4曲、その他にも
2曲以上かかった方は一人と言わず存在するのですが。
それ以外でも、コロムビアゆりかご会とか、杉並児童合唱団、水木のアニキやささきいさお氏なんかは
「抜きにして語れない」時代があるのも事実ですし。


上記のように、気にかかる部分は存在するものの、NHKはかなり頑張ったのは間違いありません。
ライブへのangela参戦を皮切りに、スクランブル(スクールランブル)、ハッピーマテリアル(言わずもがな)
を立て続けにオンエアー。その後もbeing(灼眼のシャナ……つーかKOTOKO)、鳥の詩AIR)と、
一昔前なら無視されかねなかったような物まで、リクエストに応えてくれたのですから。
だからといって、我々のような……度し難いオタクを十分満足させるような選曲が公共放送で
行われる事はありえないでしょう。
それでも尚、我々はこういう番組があると、憎まれ口を叩きつつも、興味を惹かれずにはいられないのです。
オタクの性故に。