人類史上最強の300人(のないとさま)

というわけで、先日300を見てまいりました。
紀元前480年、ペルシャ軍をギリシャ軍が迎え撃ったテルモピュライの戦い
元ネタにしているものの、映像優先、物語優先の作りになっている為、
細かい事を気にする人には向いていないかもしれません。
重装歩兵のはずが裸マントのムキムキマッチョメンになっているのを
細かい事というのかどうかわかりませんが、
だってしょうがないじゃない!
筋肉見せつけたいんだもの!(観客に)


内容の方は単純と言えば単純。
我らがスパルタが誇る最強のないとさま300人、
ペルシャのイロモノ軍団を迎え撃つため、死地に赴かん!
というお話です。
スパルタ側の戦術は史実通り密集方陣隊形(ファランクス)と、意外に正常。
裸マントですが。
ペルシャ側は……なんというか、サイ軍団ありーの、戦象軍団ありーの、
不死身の近衛隊(実際に不死隊・アタナトイと呼ばれる軍団は存在していた)は
妙に極東を意識させる仮面被ってたり、服装もなんかそれっぽい感じがしたりして、
早い話日本人なら十中八九「ニンジャっぽいよなー」と感じるっていうかなんていうか、
とりあえずイラン人があれ見たらどう思うんですかね。
個人的には、事有る毎にサムライとニンジャをイロモノにされる
日本人の気持ちを思い知れと言いたいところです。
まあ、不死隊はニンジャ軍団なんですけどね。
日本巻き込むんじゃねえw


上述の通り、基本的には荒唐無稽と言って良い戦闘シーンなんですが、
ファランクス関連の動きはリアルさを感じさせてくれます。
本物のファランクス見たことがあるわけじゃないので、
あくまでも「感じさせてくれる」ですが。
スパルタの戦士たちはファランクスで敵の隊列を押し留め、突き崩した後、
崩れた隊列の掃討に移るのですが、これがまあ強い強い。
この物語ではスパルタ戦士の持つ盾が大きな意味合いを持っているのですが、
この盾は戦闘シーンでも大活躍。物理的に。
重量のある青銅の塊って意味じゃ盾だって十分「バールのようなもの」だものね。
殴れる奴は殴らないと損だよね。盾で。


映像面では原作がフランク・ミラーによるコミックだからなのか、
それとも単純に監督の趣味なのか、非常に漫画的と思える表現が
随所に見られました。
特に顕著なのは戦闘シーンで、ファランクス戦では無い場面では
スロー撮影が多様されているのですが、これが漫画の一つ一つのコマ
のような使われ方をしているように思えました。
伝わりづらいかもしれませんが、スローの部分がコマです。
"溜め"と"極め"の部分を高速度撮影により強調することにより、
動きをコマとコマで細切れに繋がなくてはいけない漫画に似た効果を
生み出している、という風に感じたのです。


ともかくこの映画はマッチョメンによるとてもマッチョな映画です。
お勧めなのでみんな見ましょう。
そして、上映終了後、みんなで「スパルタァァァァ!」と叫びましょう。
はっはっは、みんな脳味噌まで筋肉に侵食されてしまえ。