上映迫る幕の前 いつも一人で座ってる
オタはきっと哀しかろう
悲鳴(こえ)も途絶えたラスト前 ハズレを掴んだそのチョイス
認める事は出来なくて
吾郎のオナニー称えよう 信者のような馬鹿な客
吾郎のオナニー称えよう 魂抜けそな虚しさを


……蒸し暑い日本の夏をお過ごしのみなさん、
ご機嫌如何でしょうか? 僕はもう限界です。
そういうわけで、見てまいりました。




……サイレント・ヒルを。


まあこのブログ的にはジョデルたん(物語のキーとなる少女役の子)
萌え〜!だけでもお腹が一杯ですが、知らない人にそういう映画だと
誤解をさせるのもなんなので、本編についても言及しようと思います。
誤解を招く為に、延々ジョデルたん可愛いよジョデルたんとか
言い続けても良いんですが、本当にペドフィリア扱いされても困るしなぁ……


物語はゲームの1をベースにしていますが、主人公が父親から母親……
ローズに代わっていたり、割と重要な位置のキャラの
立場が変わっていたり、そもそも存在を消されたキャラもいるなど、
完全にゲーム通りではありません。
クリーチャーにしても、本来なら1には出ない、三角錐頭の巨人の怪物
(通称:レッドピラミッド・シング)を2から引っ張ってきています。
2では重要な意味合いを持つこの怪物の登場は、原作ファンにとっては
賛否両論別れるところかもしれません。
どこぞの黒い剣士よろしく、巨大な剣と怪力を振るうこの怪物、
大物としての存在感は抜群で、個人的には出して正解だったと思います。


映像的な面に目を向けると、廃墟と化した現実のサイレントヒル
白い灰が降り積もる、神秘的かつ薄ら寒い"異界"のサイレントヒル
そして錆と鉄条網に侵食され、怪物が跋扈する"魔界"のサイレントヒル
と、同じ舞台でありながら三つの世界を巧みに表現しています。
特に中盤、主人公たちが現実では無い世界に紛れ込んでいる……
もしくは取り込まれているのだという事を明示する為に、
同じ場所を舞台に、現実の世界でローズを探す夫、魔界で怪物から逃げるローズの
二つの場面をシームレス的に繋げる手法は興味深いものでした。


物語面では、この作品、情報のばら撒き方が絶妙で、見終えた後になってから
各場面の持っていた本当の意味に気付かされて、
「もう一度確かめたい」という気にさせられてしまいます。
とはいえ、情報の出し方に関しては、単純にもう少しわかりやすくした方が
良いのでは、と思う部分も存在するのも事実で、全面的に褒めっ放し
というわけでもないのですが……


で、この映画最大の魅力はというと、実は最初に述べている通り、
ジョデルたんと(本当に)言いたいところです。
シャロンとアレッサ(とダークアレッサ)、この二人の役をこなす
役者がヘボければ、どうにも間の抜けた事になっていたのは間違いありません。
見応えがあるのは、やはりダークアレッサを演じている時。
中盤、「I'm burning!」と叫び炎に包まれるシーンや、
クライマックス、教会での大暴れは圧巻です。
いや、実際に暴れてるわけじゃないですが。
ちなみに、このクライマックス、かなり格好良いシーンで、
実写で固有結界の発動を描くとこんな感じかな〜と思わされました。