マッハ!!!!!! (原題・ONG-BAK)

予告編を見て、ジャッキー系の馬鹿アクション映画だと思ってたら、意外なほどに真面目でした。
馬鹿アクションもあるけれど、物語そのものはシリアスな話でした、というべきかな。
主演、トニー・ジャーのアクションは、やはりこの映画最大の売りなだけあって見応えあり。
予告通り最強の格闘技、ムエタイの凄さを見せてくれます。途中から俺にはムエタイだかカポエラだか判らなくなってきたけど。
しかし、ムエタイってほんとに肘打ちが多いのねえ……
ただ、動きそのもので笑わせるアクション(ジャッキーの得意としてる奴)、というのはほとんど無し。
これは前述した通り、映画そのものが馬鹿映画……いや、コメディーでは無い事が最大の原因かな。
そして脇を固める二人。主人公と同じ村の出身で負け犬人生を送っているジョージと、その相棒で、ただ生活のために犯罪に手を染める少女ムエ。
こういうキャラは好きじゃ無いんだけど、舞台であるタイという国を表現するには必要不可欠な存在だったんだろうな。
ムエは正直ウザかったけど……まあ格好も頭の良い超人か化物みたいな男と女ばかりが活躍する物語は茅田砂胡だけで十分か。
悪役は然程魅力無し。大ボスに関しては、どこまでが冗談で、どこから本気なのか……なんというか、変。
ただ、大ボス最後のシーンに関しては、「ああ、こう来たか……」と思わされた、というか考えさせられたかな。
後、主人公が賭け試合で闘う相手のネーミングがアレ。日本語吹き替え版だったんで、元は何て言ってたのかわからないけど、
海兵隊っぽい相手の名前が「パールハーバー」とか何だよな……吹き替える時に適当につけたのか、元からなのか……
意外とマジメな映画、と言って来てるけど、実際に笑える、コメディー色を前面に押し出してるシーンは、物語序盤の敵からの逃走劇と、中盤にある3輪タクシーでのカーチェイスシーンくらい。
いや、3輪タクシーでのカーチェイスは、本当タイらしいというかなんというか……
後、水中に吊り下げられた仏像のシーンはある意味笑えますが……多分笑うところじゃありません。
カメラワークや演出に関しては、特筆するほどの事は何にも無し。
ただ、同じアクションを別カメラからもう一度、というシーンが多すぎるのが目についたかな。ちょっと捻りが足りないかと。
で、最後、ラストシーンは一見の価値ありかな……別に凄い映像とかそういうのじゃないけど。ストーリーに対して、考えさせられるものがあります。