さようなら、星野。

今月10日、星野金属工業が1回目の不渡りを出し、生産停止状態に追い込まれました。
一応、不渡り=倒産では無いのですが、多くの中小企業ではイコールで括られると
言っても良い状況であり、星野も持ち直す目はなさそうに思えます。
この星野金属工業という会社、PCに興味がある人でなければ
おそらくは聞いた事も無い会社だと思われますが、
自作市場では国産高級アルミ製PCケースメーカーとして名を上げた会社でした。
もはや過去形にしていますが。
実際のところ、その価格(安くて2万、高くなると5万前後、その他妙な品も有り)と
品質、機能の釣り合いや、毒キノコセールと言われる投売りセールの功罪など、
是非の別れる意見は多くあります。
それでも一つの流れを築いた会社であり、その隆盛が自分が自作PCに興味を持った時期と
重なり合うだけに、世の無常を感じずにはいられません。


で、この会社が過去……多分8年ちょっとくらい……に出した旧製品の一覧です。
これに加えて、潰れる直前までの現行製品が存在しています。
http://www3.soldam.co.jp/support/archive/index.html
追加要素を加えた特別仕様モデルや、ちょっとしたマイナーチェンジ程度の
変更を除いても、かなりの数に見えます。
もちろん、このメーカーが作っていたものはバッグやカバンではなく、
PCのケースなので、細かな改良は美徳でもあるし、
限定品を出せば出すだけ買ってくれる金余りの信者みたいな人も存在するわけで、
一概に否定出来るものでも無いのですが……
ただ、自分の買ったものがすぐに古くなる、というのは
プレミア性を謳う商品にとって、あまり良い材料にはならない気がします。
まあ、会社が傾いた……というか扱けた原因については、いろいろ言われており、
ケースの不振そのものがどの程度だったのかは推し量るしか無いのですが。


個人的には、ここの思い出というと、JAZZシリーズを挙げたいところです。
http://www3.soldam.co.jp/garage/jazz/index.html こんなの。
出た当初にはかなりショックを受けました。
デザインにも、あからさまに予想がつく、使い難さにも。
ちなみに、さほど時を置かずして、非常に男らしい……職人の誇りに溢れる
上面スペースの補い方?をしたJAZZ LVというモデルが発売されました。
http://www3.soldam.co.jp/garage/jzlvp/jzlv.html こんなのです。
……これでJAZZの上面の傾きは補われましたが、
会社の傾きは加速していったのかもしれません。